2011年10月24日

ボールペン再考(3):パーカーソネットシズレとQuinkFlow芯

さて、パーカーといえば高級なボールペンというイメージがあるように思うが、いかがだろう。またパーカーのリフィル規格は他のメーカーでも採用しているところが多く、JIS規格にすらなっている。それならやはり使ってみるべきでしょう。ということで、パーカーのソネットを購入した。

 ものはプレシャス シズレ GT。シルバーで格子柄の軸にゴールドのトリムというデザインは、正直、現代的ではなく古めかしい。言い換えればオヤジ臭い(苦笑)。ただ、伝統のデザインだし、パーカーといえばこの軸というイメージもある。少々悩んだが、けっきょくこれにしてしまった。
 実物はゴールドトリムもそう派手ではなく控えめで、気に入っている。まあこれなら浮くこともあるまい(そう期待したい)。

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 スターリングシルバーの軸の重みは好ましい。シズレ柄も「やはりパーカーはこれだよね」となんだかんだいって満足感が高い。ただ表面はクリアラッカーでコートしてあるらしいのが残念。シルバーはくすみやすいのでその対策だろうが、むしろくすむ方が味が出ていいのだけどな。

 さて肝心の書き味だ。実物を手に入れてから知ったのだが、実はパーカーの純正リフィルは最近インクを改良してQuinkFlowと称するリフィルになっている。これがパーカーの低粘度油性インクで、それまでのものより滑らかかつ鮮やかになっているというのだ。
 実際に書いてみると、たしかに一般的な油性ボールペンとは違う。明らかに滑らかかつクッキリと書ける感覚である。
 個人的な感覚では
滑らかさ:ジェットストリーム>EasyFlow>QuinkFlow>カランダッシュ ゴリアット>>一般的な油性インク
クッキリさ:ジェットストリーム>EasyFlow>=QuinkFlow>カランダッシュ ゴリアット>一般的な油性インク
という順番である。書き味としてはなかなか良い。転がりすぎるジェットストリームなどよりこちらくらいの抵抗感がある方がいい、と感じる人もいそうだ。

 しかしだ。せっかくなのでこの純正QuinkFlowを使い続けようと思ったが、すぐに挫折した。下に向けて立てておくと、ペン先のボールの周りにインクが滲み出して盛大にボタを作るのだ。すぐに溜まるというわけではないが、ざっと一晩おいておくとダメという感じ。これでは使えない。
 さすがにこれは個体の問題だと思うが、わざわざ純正リフィルを買って交換する気にもならない。今はEasyFlowに交換して使っている。

 という流れだと次はEasyFlowの話にするべきかもしれないが、いったんゴリアットに話を移したい。



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2011年10月01日

ボールペン再考(2):ジェットストリーム芯をピュアモルト軸で

つくづく更新が少ないこのブログ。書く気はあるが、なかなか面倒で…。世の人々は、ブログやツイッターやSNSや、非常にマメな人が多くて感心する。

 さて。ボールペン、というかリフィル、さらにいえば詰まるところはインクのレビュー一発目は、やはり三菱鉛筆のジェットストリームから。しかし、今さら感は強いので、簡単に。

 それまでの油性インクボールペンの常識を覆す滑らかさと鮮やかさは驚愕ものだし、これによって低粘度油性ボールペンが他メーカーからも追随的に続々と登場した。エポックメイキングと言っていい大ヒット商品だ。まあ、インクの減りが早いとか、インクの成分が紙によっては抜けることがあるとか、後から油成分?が滲むことがあるらしいとか、欠点もあるにはある。が、メリットは圧倒的だ。

 しかし。これは僕の難点というべきだが、僕はプラ製の低価格ボールペン(の軸)では我慢できないのだ(無駄に手が驕っているのだ…)。そしてジェットストリームや他の国産メーカーの低粘度油性インクは、高級ペンにほとんど採用されていない。
 ゲルインクや水性インクも不断の改良が続いているが、なぜ高級ペンにはなかなか採用されないのだろう。売れ筋製品の開発・改良に注力するのはわかるけど、高級ペンにだって互換リフィルを用意してくれればいいのに。

 という不満を自分で解消すべく、簡単な改造で高級ラインのピュアモルトシリーズの軸に仕込んだのは、以前に書いたとおり

 さて実用上はこのペンで何も問題はない。実際にしばらくはこれを使っていたし、これで低粘度油性ボールペンの実用性を改めて認識したくらいだ。書き味の良さ、インクの鮮明さ、書き出しの掠れの無さなど、性能はこれからの回で述べる他のリフィルと比べてもNo.1だ。
 ただ…、ピュアモルトの軸はせっかく木材なのに、樹脂が染み込ませてあるのが少し過剰というか、木材っぽさが活きていない素材処理で、今ひとつなのだ。使うたびにこの残念感が気になって、結局最近は控えに回るようになってしまった…。

 ジェットストリームのインクをパーカー互換のリフィル(JISでもG2という規格番号が着いているらしい)で出してくれればきっと相当売れるはず。パーカー互換の低粘度油性インク芯はシュミットのEasyFlowという先行者がいるけど、(やはり後の回で書くつもりだが)ジェットストリームの方が書き味は良い。やってくれないかなあ。

 アダプタは簡単に作れるかな?そのうち挑戦してみたい。


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2011年09月08日

ボールペン再考

僕はボールペンが苦手だ。もともと字が下手なので、書くこと自体が苦手だったのだが、万年筆を使うようになって、少しはマシに書けるようになったし、書くこと自体への抵抗感もかなり減った。でもボールペン、特に油性インクのものは未だに下手さが際立つような気がするのだ。
 なぜかと考えてみると、滑らかとは言い難い書き味、鮮やかさに欠けて黒インクでもグレーっぽいこと、インクのボタが発生しがちであること、あたりが原因だ。

 しかし実用性では油性ボールペンが一番であることは認めなくてはならない。耐水性や耐光性は高い、裏写り・裏抜けや反対側への転写も生じにくい、ペン先が乾きにくいので扱いが雑でいい、公的な書類への記入もボールペンが前提とされている、などなど…。
 最近、心がけて何でもメモを取るようにしているのだが、その用途にはやはりボールペンが便利だ。

 そして書き味などの問題点も、最近は低粘度の油性インクが普及してきて、解決に向かっている。国内メーカー製のものでいえばジェットストリーム、アクロボール、ビクーニャなど。海外製もシュミットのEasyFlowとそのOEMはかなり良い。

 これは長年の苦手意識をそろそろ振り払うときではないか、と考えた次第。ということで、最近使ってみているボールペンについて、次回から簡単にレビューをしようと思う。


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2011年07月12日

【GXR】マウントユニットと今後のユニット

RICOHのGR BLOGにマウントユニットの記事が掲載されている。

グリップと反対側が膨らんだ形になっているのが、ちょっと面白い。
こうやって実際に使えることがはっきり書かれるようになったのは、ほぼ開発が終わって商品化レベルに来たということだろう。
Mマウントのレンズはまったく持っていないし、マニュアルフォーカスを楽しむタイプでもないので(^^;、このマウントユニットを購入するつもりはない。ただ、GXRというシステムが充実することは楽しみだ。

購入したいユニットという意味では、こちらの記事にあった
2011年にはAPS-Cセンサーを搭載したワイドズームレンズを搭載したカメラユニットをリリースするという。ズームレンジなどは不明だが、「GXシリーズのようなイメージになる」(福井氏)という。
このAPS-Cズームユニットの方をより期待しているのだが。これが出ると僕の中でGXRが、お遊びカメラから標準使用カメラに一気に格上げされそうだ。

しかし懸念は、先日のエントリで書いたとおり、PENTAXの買収でカメラ事業が再編され、GXRが整理されてしまうのではないかということ。
GR BLOGの記事は、その危機に対してカメラ事業部としてGXRをアピールしておくという意味もあるのではないかと勘ぐってしまう(^^;

何にせよ、がんばってユニットを出し続けて欲しいなあ。


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2011年07月03日

RICOHによるPENTAXカメラ事業部の買収に思うこと

HOYAとリコー、ペンタックスブランドの譲渡について会見 ~リコーはレンズ交換式カメラに注力、ペンタックスブランドは維持

主にこの記事を読みながら思ったこと。

僕自身はRICOHとPENTAXのカメラの愛用者であり、今回の買収は基本的に好ましいことと感じている。
特にPENTAX(のカメラ事業)側にとっては、HOYAがおまけ扱いにしていた雰囲気もあり、RICOHに望まれて買われるのは非常に良いことと言えるだろう。

ただ、メーカーの買収が本当に評価できるのは、良い製品作りに結びついてからだ。 その前提として製品のラインアップの整理は当然あるだろう。別々にやっていくならなにも買収する必要はないのだし。

すると、僕が心配なのはGXRが無くなってしまうのでは、ということだ。

両者のラインアップを眺めると、次のように考えられる。
  • PENTAXのレンズ交換式のラインアップはすでにけっこう必要最小限。Qだけが微妙だが、出したばかりのシリーズだし、むしろ力を入れて売ろうとするだろう。RICOHのねらいもレンズ交換式を手に入れることのようだし、あまり再編はなさそう。
  • 一方、コンパクトカメラは、統合・整理となるだろう。たぶんPENTAX側が大幅に整理されるだろうが、RICOH側も見直しが入りそう。

すると、RICOHのレンズ交換式とコンパクト機の中間という微妙な機種GXRは、非常に危うい位置にあると考えざるを得ない。

件の記事のこんなあたりがその心配を煽ってくる。

 GXRについては、「今日は答えを持っていないので、勘弁して欲しい」と明言しなかった。
「近藤氏は、製品ラインナップ上は「両ブランドで競合はほとんど無い」とするが、リコーのデジタルカメラ 事業は見直しが必要であることも明らかにした。「ペンタックスと重複する部分については、考えていかなけ ればならない」(近藤氏)。また近藤氏は、「リコーのカメラは、凄くこだわっているカメラ好きのメンバー が作っており、好きなものしか作らない。もう少し、ビジネスにしなければならないと思っている」とも述べ た。

カメラ雑誌などの評価はけっこう高いし、僕もとても好きなシステムだが、いかんせんマニアックなGXR。売り上げもいいとは考えにくいし。それにPENTAX QとGXRは数少ない競合する部分だろう。 こんな危惧は当たってほしくはないけど、心配だな。

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